栄養学の変遷①
- AKIKO SAKAI

- 3月26日
- 読了時間: 3分
薬学部でも栄養学部でもなく生化学出身の私が健康を追求して25年。
今、私が注目している栄養分野はどんな意味を持っているのか。
なんと表現したらいいのか。
そんな思いで整理してみました。

栄養学は、もともと「命を救う学問」でした。
例えば、、、
ビタミンC足りないと壊血病になる。
ビタミンB1が足りないと脚気になる。
つまりこの時代の栄養学は「足りないものを補う学問」だったのです。
この時代の問いは、ただ一つ。
人は何を食べなければ死ぬのか?
命をつなぐ最低限の条件でした。
これを古典栄養学と呼びましょう。

やがて人類は、飢餓から解放されます。
すると、栄養学の関心は変わりました。
糖質・脂質・タンパク質を「どれだけ食べれば生きられるのか?」
三大栄養素は<エネルギー>として理解されるようになり、栄養は数値化されていきます。
「食べること」は管理可能なものと信じたのです。
この考え方は「量の栄養学」、昭和の栄養学と呼んでみましょう。

カロリー計算が不要とは言いません。
ただ、これだけで管理できるかといえば違います。
20世紀中盤になるとカロリーだけでは説明できない現象が起こります。
同じカロリーを摂っているのに、健康な人と病気になる人がいる。
ここで登場したのが、ビタミンとミネラルです。
栄養の意味が変わります。
栄養とは「代謝を動かす鍵」
代謝を正常に保つための最適量が議論されるようになりました。
この考え方は量だけでなく、質を考える栄養学への道となりました。
しかしまだ、昭和の栄養学に留まっています。

やがて社会は豊かになり、豊かさは逆説を生みました。
「不足」ではなく「過剰」が問題になります。
加工食品や外食産業が当たり前になり
糖質過多や塩分過多
飽和脂肪酸やトランス脂肪酸など
普通の食事と思っているものに落とし穴が潜んでいます。
そして
糖尿病、高血圧、動脈硬化、がん ・・・・
今や生活習慣病は国民全体に影響を及ぼす国民病です。
栄養学は「人は何を食べすぎて病気になるのか?」と問い始めます。
ある種の栄養は<病気のリスク>となり
何を減らさなければならないかが議論されるようになりました。
これは「減らす栄養学」、平成の栄養学と呼んでみましょう。
しかし悪いことばかりではありません。
科学は飛躍的に進歩し、特に腸内細菌の重要性が明確になりました。
栄養分野でも「ただ大腸を掃除するだけ」と言われていた食物繊維が
腸内細菌のエサになるプレバイオティクスであり
腸内環境を整えることが全身の健康につながることも明らかになりました。
「腸活」ブームの幕開けです。
1999年に「The Second Brain」(マイケル・D・ガーシューン医学博士著書)が
2000年には和訳本「セカンドブレイン: 腸にも脳がある」が出版され
一躍「腸は第二の脳」という言葉が広まりました。
いまや脳と腸の関係だけでなく、肺、心臓、肝臓、腎臓、皮膚、骨etc.
すべての臓器と腸はさまざまな形でつながっていることが分かっていることがわかっています。

医学の父ヒポクラテスの言葉
「すべての病気は腸からはじまる」
は的を得てると改めて感心する次第です。
(つづく)







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