ファイトケミカル
- AKIKO SAKAI

- 3 日前
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令和の栄養学で重要な栄養成分「ファイトケミカル」がどんな働きを持っているのかを簡単にまとめておきたいと思います。
いずれ深堀していきたいとも思っています。
Phytoは植物でchemicalは化合物ですから、ファイトケミカルはそのままの意味で植物が作り出す化合物のことです。
植物が作り出すものは、一次代謝物と二次代謝物に分けられていて、ファイトケミカルは二次代謝物です。
一次代謝物は、植物が自らの生存や成長のために作り出す化合物で、アミノ酸、糖類、核酸、有機酸などがあります。
植物細胞の成長、発達、生殖、エネルギー代謝などに直接関与する化合物です。
二次代謝物は、主に防御機構や生態系において役割を果たす化合物です。
植物は動物と違って自ら動くことができないので、太陽の紫外線、細菌や昆虫、環境ストレスなど置かれた環境に応じて多種多様な代謝物を作り出します。
もちろん植物種によっても二次代謝物は変わるので、ファイトケミカルの全容はまだ解明されておらず数千種とも数万種とも言われています。

一次代謝物は、3大栄養素の「糖質、タンパク質、脂質」、5大栄養素の「ビタミン、ミネラル」、6大栄養素の「食物繊維」を支える重要な化合物です。
では、二次代謝物のファイトケミカルはどんな有用性を持つのでしょうか?

ブログ「栄養学の変遷②」で書いたように、ファイトケミカルを「情報の栄養」と位置付けました。
細胞に情報を送るシグナル分子として働くからです。
ファイトケミカルの働きを6つにまとめました。

1.抗酸化作用
2.抗炎症作用
3.エピジェネティクス調節
4.腸内細菌制御
5.ホルミシス誘導
6.老化制御
まず、ファイトケミカルは抗酸化物質として働きます。
細胞を傷つける活性酸素を抑え、DNAや細胞膜を守ります。
さらに抗酸化酵素の発現を促して抗酸化作用に寄与します。
これは、老化や生活習慣病の根本原因に対する防御です。
同時に、ファイトケミカルは抗炎症因子でもあります。
炎症性/抗炎症サイトカインの発現を調節することで炎症反応をコントロールします。
慢性炎症という「見えない火種」を鎮め、免疫の暴走を制御し、体内環境のバランスを整えます。
またファイトケミカルは、遺伝子のスイッチを調節するエピジェネティック因子として働きます。
遺伝子そのものを変えるのではなく、「どの遺伝子を、いつ、どれだけ使うか」を調整するのです。
そしてファイトケミカルは、ホルミシスを誘導します。
わずかな刺激を与えることで、細胞の防御力や修復能力を高める「細胞を鍛える分子」と言ってもよいでしょう。
さらに腸内細菌叢を制御する因子として、善玉菌を育て、悪玉菌を抑え、腸内環境を通じて免疫・代謝・脳機能にまで影響を及ぼします。
最先端の研究では、ファイトケミカルが老化細胞の制御にも関与することが示されています。
老化細胞を除去するセノリティック作用、老化細胞の悪影響を抑えるセノモルフィック作用。
つまり、ファイトケミカルは「老化そのもの」に働きかける可能性を持つのです。
これら6つにまとめたファイトケミカルの働きは、単独に作用するのではなく奥深い遺伝子レベルで相互に関係しています。 素人が理解できるレベルを超える領域で、結局のところ「野菜や果物をもっとたくさん食べればいいんでしょ?」という結論で丸めたくなりますが、「たくさん食べること」自体が簡単な世の中ではないので知識と情報でその気持ちを少しでも後押しできたらと思います。






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