心豊かなアロガライフを目指して
アロガの扉
マカナリー博士の軌跡
20世紀の発見「アセマンナン」
ビル・マカナリー博士は、薬理学と毒性学の博士です。
熱を出した時、やけどをした時、なんにでも使うアロエベラの働きに興味を持ち、その源を突き止めれば薬になるのではないかと考えました。
1980年代半ば、博士はとうとうアロエベラの本体を突き止めます。
それはアセマンナンと命名したマンノース多糖体でした。
博士はアセマンナンの構造を決定し、免疫細胞を活性化するという働きを明らかにし、アセマンナン関連を含む300を超える特許を取得しました。

アセマンナンが免疫系に働きかけることは明らかでしたし、毒性も全くありません。
しかし、毒性が全くないことからヒトの薬としては認められませんでした。
そこで博士は、サプリメントとして開発することにしました。
アセマンナンは、体の働きを無理矢理強めたり弱めたりするのではなく、良い状態に調整する栄養だと考えたのです。

ちょうどその頃、糖鎖の研究が急速に進んでいました。
糖鎖は糖が鎖状につながったもので、細胞表面のタンパク質や脂質と結びついて細胞の外側に産毛のように出ています。
細胞は、糖鎖を使って自分の情報を相手に伝え、また糖鎖を使って相手の情報を受け取り、細胞同士のコミュニケーションをはかります。
体を構成している約37兆個の細胞が正確に情報を伝え合うことは、健康を維持する上で非常に重要な働きです。
博士は糖鎖を構成する糖を「糖質栄養素」と呼び、新しい栄養概念を打ち立てました。
21世紀の挑戦「アポトーシス」
博士は常に「細胞が健康なら体は健康になる」と考えています。
しかし、細胞レベルの健康を叶えるためには、まだ不十分だと感じていました。
細胞同士の情報伝達だけでなく、細胞内の情報伝達が不可欠だからです。
「(遺伝子に)プログラムされた細胞死」とも呼ばれるアポトーシスの現象をテーマにした研究が、2002年にノーベル賞医学・生理学賞を受賞しました。
博士は、アポトーシスが細胞の健康に必須の基本機能だということに気づきます。

アポトーシスは、古くなった(寿命)細胞や不用になった細胞、不健康な細胞が除去される仕組みです。
細胞が除かれた後には、新しい細胞が生まれます。
細胞がきちんとした死を迎えないと問題が起こることもわかってきました。
21世紀は遺伝子研究の時代、栄養学も遺伝子に働きかける栄養へと発展しています!
アロガは細胞が自ら健康になる仕組みをサポートすることで、真の健康へと導きます。

《動画》ビル・マカナリー博士の研究の足跡とアロガ製品について
オートファジー
オートファジーとは?
オートファジー(Autophagy)とは、Auto(自分)とPhagy(食べる)を組み合わせた、細胞質成分(オルガネラ)を自ら分解するプロセスです。
「自食作用」とも言われます。
細胞には、物質が移動するための経路が4つあります。
① 分泌経路
細胞の中から外へ移動する経路です。
小胞体で作られたタンパク質は、ゴルジ体で糖鎖を付加され(糖鎖が付かないタンパク質もある)、ゴルジ体の膜が突出して(糖)タンパク質を含んだ小胞(輸送小胞)になり、細胞膜へと移動し、細胞膜と融合してタンパク質を細胞外へ放出します。
② エンドサイトーシス経路
細胞の外から中へ移動する経路です。
細胞膜で栄養成分、情報分子、病原体などを包み(エンドソーム)、消化酵素を含むリソソームと融合することで分解します。
細胞膜上にあり、一緒に取り込まれた受容体は、エンドソームで選別され、細胞膜へ戻って再利用されます。
③ 生合成経路
ゴルジ体からエンドソームへの輸送経路です。
リソソームで働くタンパク質を運ぶのが主な役割です。
④ オートファジー経路
細胞質にあるものをリソソームに運んで分解する経路です。
1.自ら膜を作り(隔離膜)
2.細胞質成分を膜で囲い(オートファゴソーム)
3.リソソームと融合する(オートリソソーム)ことで分解します。

オートファジーには、マクロオートファジー、ミクロオートファジー、シャペロン介在性オートファジー、クリノファジーに分類され、マクロオートファジーはさらに細かく分類されます。

オートファジーの機能
オートファジーには3つの主要な機能があります。
① 栄養源の確保
② 代謝回転(新陳代謝)
③ 有害物質の隔離除去
①の栄養源の確保とは、例えば飢餓状態など細胞外から栄養成分が入ってこないときでも生き永らえるためのサバイバル機能です。
必要最低限の分子を残し、他を分解して必要な分子を作りながら、次に栄養が来るのを待ちます。
私たちにとって最大の危機は、出産直後です。
へその緒からの栄養が途絶え、ミルクを飲めるまでの間、オートファジーは強く活性化されます。
しかし飢餓状態でなければ働かないわけではなく、常にある程度(基底レベル)の分解をしています。オートファジーは栄養だけでなく、酸化ストレス、小胞体ストレス、損傷タンパク質の存在など、さまざまなストレスによって活性化されます。このようなストレスは細胞死を誘導する要因ですが、オートファジーはアポトーシスを引き起こすタンパク質を分解することで、緊急の生命維持装置になっていると考えらえています。

②の代謝回転とは、細胞内の新陳代謝のことです。
成人男性の場合、一日約70gのタンパク質を食べ物から摂取します。
タンパク質は一度アミノ酸に分解されて新しいタンパク質を作る材料になるはずですが、食べ物からのタンパク質のほとんどはエネルギーになって消えてしまいます。
一方で、体内で作られるタンパク質は約240g、このほとんどをオートファジーで賄っています。
細胞内で作って、分解してはまた作る。
無駄なようですが、定期的に入れ替えることによって細胞内を常にフレッシュな状態に保つことができます。

③有害物質の隔離除去とは、細胞内に侵入した細菌などを分解・死滅させる働きです。
細胞には免疫細胞の力を借りなくても、細胞内に侵入した有害物質を排除できるシステムを持っています。
ただし、オートファジーを利用して増殖するものや、オートファジーを回避するものもあるので、オートファジーだけに頼るわけにはいきません。

神経変性疾患とオートファジー
細胞によって寿命(再生速度)が違います。
数日~数ヶ月の細胞であれば、古くなったり傷ついたら新しい細胞に入れ替える方が早いでしょう。
しかし、年単位(肝細胞など)や、ほとんど再生しない神経細 胞や心筋細胞はほぼ一生同じ細胞を使い続けなければなりません。
アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病などの神経変性疾患では、アミロイドβやタウタンパク質などが蓄積した凝集体が細胞内に見られるのが共通する特徴です。

動物実験によれば、オートファジー機能不全は凝集体の蓄積を招き、さらに進行すると細胞死を引き起こすことがわかっています。
オートファジーは、細胞内品質管理機構として非常に重要な機能です。
がんとオートファジー
がんとは、遺伝子(DNA)の突然変異によって死ななくなった細胞のことです。
細胞分裂するたびに起こる遺伝子のコピーエラーだけでなく、化学療法剤、放射線、活性酸素種などさまざまな要因がDNA損傷を引き起こします。
その頻度は、細胞1個あたり1日に数万回とも数十万回とも言われます。

活性酸素種と抗酸化酵素
活性酸素種:ヒドロキシルラジカル、スーパーオキシド、過酸化水素、一重項酸素
体内で生成される抗酸化酵素(酸化還元酵素)のスーパーオキシドディスムターゼはスーパーオキシドを酸素と過酸化水素に変換、カタラーゼ、ペルオキシダーゼ、グルタチオンは過酸化水素を酸素と水に変換する。
ヒドロキシルラジカルと一重項酸素に対する抗酸化酵素は、体内では生成されない。
細胞は、DNA損傷の程度に応じて、高度なシグナル伝達経路を発展させてきました。
損傷が軽度の場合、細胞はDNAを修復するか、修復せず老化細胞の状態で留まるか、活性酸素を過剰に発生している不良ミトコンドリアやアポトーシスを促すタンパク質などをオートファジーによって分解することで、細胞を生存する方向へと導きます。
この場合、アポトーシスは活性化したオートファジーによって抑制されています。
一方で損傷が重度の場合や修復できないDNA損傷が蓄積した場合は、アポトーシスで細胞死へと至ります。
オートファジーが過剰に活性化して細胞死に至ることもあり、オートファジーに関連した細胞死はオートファジー細胞死と呼ばれます。

アポトーシスとのクロストーク
オートファジーとアポトーシスは、細胞が置かれている状況 に応じてお互いの情報伝達経路に影響を与えることが分かってきました。
これをクロストークと呼びます。
がんは、浸潤と転移能を獲得して悪性化します。
がん化した細胞の側から見てみると、別の臓器や器官に入り込んで増殖するときは栄養供給が途絶えます。また、腫瘍が大きくなってくると中心部は栄養や酸素が不足してきます。
栄養が不足する環境にあるがん細胞は、オートファジーを利用して栄養を確保し、生き永らえている可能性があります。
そして、抗がん剤によるストレスによってもオートファジーによる生命維持装置がオンになり、抗がん剤耐性を獲得する可能性も指摘されています。
つまり、がんにならないためにオートファジーは必要ですが、がん化した細胞を抑え込むにはオートファジーが生涯になる可能性があり、がんにおいてオートファジーは「両刃の剣」であると考えられています。
それでもなお、オートファジーとアポトーシスは、がん治療のターゲットとして精力的な研究が進んでいます。

神経変性疾患やがんなど多くの因子が関係している疾患においては「1つの標的に1つの薬剤」で対応することが非常に難しく、ましてはオートファジーとアポトーシスのクロストークを考慮すると現実的ではありません。
最新の研究により、レスベラトロールやクルクミンといったポリフェノール類、ケルセチンやシリマリンといったフラボノイド類、その他アルカロイド類やテルペン類など、幅広いファイトケミカルがオートファジー経路をサポートすることがわかってきました。

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