Geroscience
- AKIKO SAKAI
- 2023年6月22日
- 読了時間: 4分
President Onlineの記事を読んで拾ったネタをまとめておこうと思う。
【その1】
「資産」を4分類として考える。
第1の資産は「経済的資産」
いわゆる現金や貯金、有価証券、不動産など
第2の資産は「個人的(教養的)資産」
その人が獲得してきた学歴や知識
第3の資産は「社会的(人的)資産」
人生のなかで築いてきた人脈やネットワーク
第4の資産は「見た目」
見た目のよさや外見的魅力というファクター
ほとんどの人は第1の資産が重要だと考えるのだろうが、健康の仕事をしていると第4の「見た目」が本当に誰もが欲しがる資産ではないかと感じる。
外から着飾る「見た目」ではなく、人柄や性格、心身の状態が外見に投影される「本質的な見た目」は誤魔化しが効かない。
エグゼクティブ・コーチという、会社のトップを対象に行っていたコーチングは、まさにこの部分の資産形成のアドバイスだった。
会社のトップともなると、心身の具合が良いか悪いかによって、時にはその情報が洩れるかどうかによって、会社経営に大打撃を及ぼす。
会社のトップだけではない。
家族の誰かひとりが病気になっただけで、家じゅうが暗くなる。
周りに具合が悪そうな人がいれば、心配で仕方がない。
健康でイキイキとした「本質的な見た目」は自分だけでなく、周りにも与えられる資産なのだ。
【その2】
記事の中にPace of Aging、生物学的老化速度という言葉と、引用元の論文が紹介されていたので読んでみた。
ニュージーランドのある地域で1972-1973年に生まれた1037人を45歳まで追跡した研究で、老化のペースを心血管、代謝、腎臓、免疫、歯、肺の各システムを指標とする19のバイオマーカーの機能低下を定量化して検証したというもの。
結果は、中年期にPace of Agingが速かった被験者は、脳の老化が進み、より多くの認知障害を経験し、感覚・運動機能能力が低下し、老化に対してよりネガティブな認識を持っていたという。
加齢に伴って慢性疾患や体力低下を経験する人が増えていくが、数字の年齢(年代)だけで推測できるものではなく個人差がある。
社会保障や高齢化対策を考える上で、一律に年代で判断するのではなく、中年期から老化速度を判定できれば支援できるのではないか?という。
現在の疾病管理機構は、加齢に伴う慢性疾患をそれぞれ独立して治療・管理するものだ。
これに対し、Geroscience Hypothesis(ジェロサイエンス仮説)は、生物学的老化そのものを遅らせることによって、多くの加齢に伴う慢性疾患を予防できると提案している。
生物学的老化がすべての臓器系において細胞レベルの劣化を引き起こし、それによって寿命の後半において多疾患が指数関数的に増加する。
つまり、各疾患を個別に管理するのではなく、生物学的老化を直接遅らせることで、すべての慢性加齢関連疾患のリスクを同時に改善することができるという。
昨今、アンチエイジングという言葉が溢れているけれど、科学界でも取り組みが本格化しているようで、Geroscienceという専門誌が発行されたり、日本でも国立長寿医療センターにジェロサイエンス研究センターができている。
でも、私はここに本質があると確信した!
「すべての臓器系において細胞レベルの劣化を引き起こすことで生物学的老化が起こる」
細胞ひとつひとつが劣化を起こしたときに、いち早く処置されれば生物学的老化は遅らせることができるのではないか?
そのために、細胞にはアポトーシスとオートファジーという機能が備わっているんだよね。
研究が進めば新しい医療的手段が提案されるかもしれない。
でも、細胞にはすでに機能が備わっているんだから、それを正常に健康に動かしてあげる食べ物を食べればいいんじゃない?
私の師匠、ビル・マカナリー博士は以前から5~10年先の科学を見据えて製品づくりをしていた。
だから、科学的な裏付けを理解するのがとても大変だった。
糖鎖のときも、大変な思いをしながら追いかけていると、数年経って一般的な話題になっていった。
今回もまただ。
ビル博士は「細胞は健康になるようにできている」と言って、アポトーシスやオートファジーをサポートする製品を作ったけれど、GeroscineceやPace of Agingといった概念が彼の考えを裏付け始めた。
この科学、面白くなってきたじゃな~い♬
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