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がんを考える④

がん化と聞いてどんな絵を思い浮かべますか?


正常細胞に遺伝子変異が起こり、がん化して大きくなっていく。。。 実はそんな簡単な話ではなさそうです。 もうひとつの図を見てください。


これはScience(Science. 2018 Nov 23; 362(6417): 911–917.)に掲載された「体細胞変異クローンが加齢とともにヒトの食道にコロニーを形成する」という論文の図です。

男女・喫煙/非喫煙・年齢別の9人の食道の細胞の遺伝子変異を解析したところ、

・加齢によって遺伝子変異が蓄積されていく

・わずかな面積の中でもさまざまな遺伝子変異が起こっている多種多様なコロニーが形成されている

・健康と思われる細胞でも、がん化につながる変異があるものがある

などがわかったというもの。

細胞は、がん化する・しないにかかわらず、加齢という一点だけで遺伝子変異が蓄積しているのです。

では遺伝子変異は年齢に比例して多くなっていくのでしょうか。

実は変異のピークは発生期から成長期、つまり細胞が増殖して体が大きくなっていくときに複製エラーが生じやすく、70歳時点で保有する変異の半分は18歳までに得てしまっていると言われています。

え?もう間に合わないじゃない!

そんなことはないと思います。

日々の生活の中で、

・さらなる遺伝子変異を引き起こすようなリスク因子を減らすこと

・がん細胞が自死する環境を常に整えておくこと

・がん細胞の周りの細胞の状態も整えておくこと

遺伝子に異常が起こったとき、細胞たちが健康を保つために何をしているのかを知ることで、がん予防のヒントが見つかると思っています。

 
 
 

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